特別対談
誇りに思える会社づくりとは
~カルチャー変革2年目、人事領域の挑戦~
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社員のために
人材戦略(人材育成の基本方針および職場環境整備方針)
a.人材育成の基本方針
当社グループの事業においては、人材こそが最大の資産であり、人材の価値を最大限に引き出すことで当社の中長期的な企業価値の向上を図ります。そのため、事業戦略に連動した人材・組織・カルチャー変革戦略を立案し、それに基づき多様な人材が持てる力を最大限に発揮し、働きがいを感じ、誇りに思える会社を目指していきます。
当社グループは2023年4月に新たなグループビジョン「次世代循環型社会をリードするSolution
Company」を策定しました。このグループビジョンのもと、既存事業のみならず周辺領域への事業拡大や新たな事業、循環型のサービス創出に挑戦していきますが、そのためにはグループビジョン実現に向け、自ら変革するために挑戦・成長し続ける従業員のWell-beingの向上を図り、多様な人材に選ばれる会社を目指していきます。
b.職場環境整備方針
上記の人材育成の基本方針に基づき、多様な人材が持てる力を最大限に発揮し活躍できる社内環境整備を進めていきます。育児や介護を始めとした様々な事情を抱える従業員が時間や場所の制約にとらわれずに力を発揮できる仕組み、経験年数や年齢にかかわらず担っている役割(仕事)と会社業績への貢献を基準とした処遇の仕組み、自由闊達で挑戦を重んじ、自分らしく活躍できる組織文化の形成、などにより従業員が誇りに思える会社、即ちエンゲージメントが高い従業員で満たされる会社・組織を目指し、種々の施策に取り組んでいきます。
具体的取組(人材戦略の実践、施策)
新たに策定したグループビジョン2030実現に向けてマテリアリティ(重要課題)を再特定しました。そのマテリアリティの一つが「人的資本への投資」で、「エンゲージメントの向上」「人材の多様性確保」「健康経営の実現」「持続的成長を実現する人材・組織開発」「テクノロジー活用による働き方改革」の5つの領域につき、以下の取り組みを進めていきます。
エンゲージメントの向上
人材育成の基本方針に則った「働きがいを感じ、誇りに思える会社」への変革の状況をモニタリングし、改善のPDCAサイクルを回すため、定期的に従業員エンゲージメントサーベイを実施します。サーベイは毎年1回本サーベイを実施することに加え、2023年度より年3回のミニサーベイを実施し、タイムリーに状況把握を行い、改善のPDCAを早く廻していくこととしています。全社のエンゲージメントスコアおよびエンゲージメントスコア改善のポイントを全役員で共有するとともに、部門別の結果を管掌役員及び部門長で共有し、改善に取組んでいます。今中期計画の最終年度(2025年度)には、参加エンゲージメントサーベイにおいて日本国内参加企業の上位1/4レベルを目標に改善を加速させていきます。また、従業員エンゲージメントスコアは役員報酬の業績評価に連動させる仕組みとしており、その改善に経営陣もコミットして取組をすすめています。
2023年度は新たなグループビジョン2030と中期計画2025を社内外に公表し、経営陣が従業員との直接対話を35回に亘って全社員と実施し、その理解、浸透を図るとともに従業員との意見交換を行いました。また、2023年11月30日の創立記念日には創立45周年イベントを東京と大阪の2会場に全社員が集まり、部門を超えた交流や互いの事業紹介などを通じ一体感の醸成とビジョン実現に向けた結束を固めるイベントを行いました。加えて、2024年2月からは経営陣と従業員の直接対話の第二弾として役職階層別の対話会を実施しています。

また、社員からの発案で社員からの任意の申込による「社長とのランチ会」を始め、1年で24回、70名の社員との対話も実施しています。率直な意見を聞く中でタイムリーな改善アクションにつなげることも行っています。こうしたオープンコミュニケーションの場も含めてビジョン実現に向けた風通しがよく自律的に挑戦するカルチャーづくりを促進しています。
2023年度のエンゲージメントスコアは21%と前年度と変わらない結果となりましたが、個々の要因別でみたスコアは17領域中14領域が改善しています。特に上記の取組もあり「経営陣」「ダイバーシティ」顧客志向」の領域で改善ポイントが大きくなっています。一方で依然課題とみられる領域もあり、2024年度も引き続き人材マネジメントの改善等目標達成に向けた施策を展開していきます。
従業員エンゲージメントスコア(単体)
2023年3月期 | 2024年3月期 | 2026年3月期(目標) |
---|---|---|
21% | 21% | 34% |
人材の多様性確保
当社は、新たな事業領域への事業拡大を通じて様々な分野から専門性・経験を持つ人材を採用してきました。その結果、下表に示す通り、ダイバーシティのある組織となっています。今後はさらにDiversity, Equity
&Inclusion の観点から多様な人材が真に活躍できる環境整備を制度面・組織風土面の両面から進めていきます。
その一つとして、育児や介護をはじめとする様々な事情を抱えている従業員が時間的・場所的制約にかかわらず活躍できる環境を整えるため、コロナ禍で進んだテレワークの仕組みを今後も継続し積極活用することに加え、2023年4月には勤務途中の中抜け(例:育児のための勤務中断)を可能とする柔軟な働き方が出来る制度を導入しました。なお、これらの施策は女性だけでなく男性も含めたすべての従業員が持てる力を最大限に発揮することに資するものであるとの認識で今後も取り組んでいきます。
また、ポストコロナに入り、各職場の業務特性に応じた「柔軟な働き方の実現に向けてガイドライン」を作成し、それをもとに職場単位でチーム効率も考慮した最適な働き方のルールを話し合ってもらい、働き方に関する職場ルールを定め、全社共有を図るなど働き方の見直し、改善を図っています。加えて、2024年4月には介護等個別事情を抱える社員の継続就業を可能とする「遠隔地勤務制度」を導入し、多様な人材が働き続けられる環境の整備も図っています。このような事情を抱えた人材が働き続けられるための環境整備に加え、これからは多様な価値観、考え方の人材がそれぞれの力を活かし活躍し続けられる会社、組織つくりを目指していきます。それにより、多くの人材が活躍し続けられることによって多様な価値観、多様な強みを活かして議論や意思決定の質を高め業績の向上につなげていきます。
従業員のダイバーシティの状況(単体)
2022年3月期末 | 2023年3月期末 | 2024年3月期末 | |
---|---|---|---|
経験者採用者の比率 | 47% | 47% | 49% |
女性社員比率 | 38% | 37% | 39% |
①女性活躍
これまでも職種転換の推進、外部教育機関への派遣、専門知識の習得支援、自分らしさや働くための軸を探求することを目的としたワークショップの開催等による人材育成施策と、法の要請を超えた育児と仕事の両立支援制度の拡充、在宅勤務制度やフレックスタイム制度の改定などにより柔軟な働き方を可能とする制度を導入し、女性活躍につなげる施策を推進してきましたが、女性管理職比率は以下に示すとおり改善してきているもののいまだ意思決定における多様性には課題があります。当社はこれを最優先の経営課題の一つとして、人材の確保と計画的育成の両面から改善に取組み、2026年3月末で女性管理職比率10%達成を目標に取組んで参ります。
具体的には、職場での多様性への理解と受容促進としてアンコンシャスバイアス研修を全社員に実施するとともに働き方改革も含めた職場環境整備を図っています。加えて、新卒採用女性比率毎年50%、経験者採用での女性比率を2025年度までに30%以上にして女性管理職の候補者のパイプラインを拡充させること、候補者層には個別育成計画を策定、実行するとともに外部研修への派遣などを通じて動機づけや必要な知識の習得を図る取組を進めています。
女性活躍推進法に基づく行動計画
女性が活き活きとリーダーシップを発揮し継続的な価値創造や業績向上へとつなげる環境整備を行うため次の通り行動計画を策定しました。
女性管理職の状況
2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2026年3月期(目標) | |
---|---|---|---|---|
女性管理職比率(連結) | 8.0% | 8.4% | 8.4% | ー |
女性管理職比率(単体) | 5.0% | 5.5% | 6.7% | 10.0% |
女性管理職数(連結) | 23名 | 28名 | 27名 | ー |
女性管理職数(単体) | 11名 | 13名 | 15名 | ー |
管理職候補者層に占める女性労働者の割合(単体)
2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 |
---|---|---|
11.6% | 13.3% | 16.5% |
総合職の採用に占める女性比率(単体)
2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2026年3月期(目標) | |
---|---|---|---|---|
新卒 | 20% | 56% | 38% | 50% |
経験者採用 | 11% | 13% | 21% | 30%以上 |
②シニア人材の活用
これまでも本人や上司との事前面談を通して、蓄積したキャリアや適性、希望する業務、チャレンジ意欲を踏まえ配置を行い、成果に応じて処遇する制度の運用を進めてきましたが、全社での適所適材配置およびより一層の活用促進を図ることを目的に、これまで以上にアサイン業務の職責の大きさと成果に応じた処遇とすべく雇用延長制度の運用見直しを図り、2024年度より新たな運用を開始しました。
③障がい者雇用
障がいの有無にかかわらず活躍できる会社を目指し、障がい者には、その状況に合わせて様々な合理的配慮を行っています。たとえば、オフィスは段差のないフラットな構造になっているほか、オフィス内の導線についても、デスク間の幅を広くとることで車いすでの移動を容易にするなど様々なバリアフリー対策を講じています。
また、2021年7月からは「障がい者が安心して長く働ける環境の提供」「障がい者就業機会の創出による地域貢献」を目的として当社の農園を開設し、障がい者の雇用の促進につなげています。
また、2025年3月期にはオフィス業務における就業領域の拡大を予定しており、実施に向けて職場受入れの準備を進めているところです。

障がい者雇用率(単体)
2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2026年3月期(目標) |
---|---|---|---|
2.28% | 2.38% | 2.53% | 2.70% |
離職率(単体)
2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期末 |
---|---|---|
4.1% | 5.2% | 5.1% |
新卒定着率(単体)
2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 |
---|---|---|
100.0% | 78.6% | 89.5% |
育児休職制度
原則として子が満1歳6ヵ月に達する日まで、または子が満1歳に達した後最初に到来する3月31日まで休暇取得が可能(法定の該当事項にあたる場合は、満2歳に達する日まで)
利用者実績(単体)
2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期末 |
---|---|---|
22名(7) | 15名(10) | 14名(3) |
男性の育児休暇・休職取得実績(単体)
2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期末 |
---|---|---|
7名 | 10名 | 3名 |
育児休業復職率(単体)
2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期末 |
---|---|---|
95.5% | 94.0% | 100% |
育児短時間勤務制度
子が小学校3年の就学を終えるまでの期間、1日30分~2時間、勤務時間短縮が可能
利用者実績(単体)
2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期末 |
---|---|---|
31名 | 36名 | 30名 |
介護休職制度(単体)
2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期末 |
---|---|---|
0名 | 1名 | 0名 |
介護短縮勤務制度(単体)
2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期末 |
---|---|---|
0名 | 0名 | 0名 |
ファミリーフレンドリー休暇制度
年次有給休暇とは別に、家族や地域社会とより深いつながりをもつことを目的として、「ファミリーフレンドリー休暇制度」を導入しており、年間5日(繰り越し分含め最大20日)の休暇が付与されます。
この制度では、医療・看護、配偶者の出産、子または孫の育児、疫病予防、家族の介護、学校行事関係、「わくわく子どもの池プロジェクト」をはじめとする各種ボランティア活動等に要する休暇を取得できます。
ファミリーフレンドリー休暇利用(単体)
2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期末 |
---|---|---|
延べ973日 | 延べ1,263日 | 延べ1,397日 |
健康経営の実現
事業活動の源泉は生き生きと働く社員であり、全ての従業員の心身の健康と安全は最も大切なものと考えています。当社は健康経営の推進にあたって、社長を推進責任者として、当社、産業医・保健スタッフ、健康保険組合と連携を図り、三位一体で社員とその家族の健康維持・増進に取組んでいます。
2024年3月には昨年度に引き続き「健康経営優良法人認定2024(大規模法人部門)」に認定されました。
NECキャピタルソリューション健康経営宣言
NECキャピタルソリューションは、全ての社員の心と体の健康と安全を最も大切なものと考え、社員一人ひとりが働きがいを実感し、自分らしく生き生きと働くことができる環境づくりと、当社の最大の財産である社員とその家族の健康維持・増進に取り組みます。
健康経営推進体制
「健康経営」の推進にあたっては、社長自ら健康管理の責任者となり、人事総務部、NECウェルネスプロモーションセンター(産業医・保健スタッフ)、NEC健康保険組合、当社衛生委員会が連携を図りながら、従業員とその家族の健康維持・増進に取り組んでいきます。

①疾病予防・健康増進対策
・各種健康診断
疾病の予防および早期発見等の観点から、法定の定期健康診断項目の受診に加え、年齢に応じ、健康保険組合と協働して、生活習慣病検診(がん検診)・人間ドック・婦人検診等の受診推奨および費用補助を実施しています。
2024年度より「人間ドック」、「がん検診」の自己負担無料化および20歳以上の女性を対象に「子宮がん検診」の無料化を実施し、その受診率の促進を図っています。また、健診結果に対する産業医の判定に基づき、精密検査等が必要な対象者への医療機関受診推奨など、事後措置管理の強化を行っています。
・感染症予防
2020年4月の緊急事態宣言発出後に速やかにモバイルパソコン、スマートフォンを配布し、在宅勤務を可能とするとともに、会社では自動検温器、消毒液や会議室、職場内にパーテーション設置するなど感染予防対策を施しました。また、2021年には新型コロナウイルスワクチンの職域接種を行いました。
なお、インフルエンザ予防接種の費用補助ならびに社内での集団接種を行い疾病予防の強化を図っています。
・禁煙・卒煙
健康保険組合と連携し、無料オンライン卒煙プログラム(専門医によるオンライン診療・禁煙補助薬配送・フォローメール等)を通じた禁煙サポートを実施しています。
・健康セミナー
健康に対する意識やヘルスリテラシーの向上を目的として、社員とその家族を対象に「オンライン健康セミナー」を定期的に開催しています。運動・睡眠・食事・がん・女性特有の病気などの様々なテーマのセミナーを実施し、健康増進およびセルフケアの強化を図っています。
②メンタルヘルスケアへの取組み
当社では、社員の身体的な健康だけではなく、精神的にも健康で、自分らしく生き生きと働くことができる職場環境づくりを重要課題と位置づけ、メンタルヘルス対策に取り組んでいます。
(1)1次予防(啓蒙活動・未病対策)
- ・外部相談窓口の設置
- ・フレッシャーズ面談の実施
- ・ストレスチェックの実施(年1回)
- ・WEBメンタルヘルス研修の実施(セルフケア・ラインケア)
- ・長時間勤務者対応・高ストレス者対応
(2)2次予防(早期発見・早期対応)
- ・上司および本人との産業医面談の実施
- ・通院・経過観察中のメンタルフォロー
(3)3次予防(再発防止)
- ・産業医や外部カウンセラーによる職場復帰支援カウンセリングの実施
- ・試験出社制度
- ・職場復帰後、経過支援の産業医・保健師面談の実施
③健康意識・リテラシー向上への取組
健康に対する意識やヘルスリテラシーの向上を目的として、社員とその家族を対象に「オンライン健康セミナー」を定期的に開催しています。運動・睡眠・食事・がん・女性特有の病気などの様々なテーマのセミナーを実施し、健康増進およびセルフケアの強化を図っています。
健康経営モニタリング指標と実績
2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期末 | 2026年3月期 (目標) |
|
---|---|---|---|---|
残業時間/月(連結) | 22.5時間 | 22.9時間 | 27.3時間 | ー |
残業時間/月(単体) | 22.9時間 | 23.0時間 | 28.1時間 | 18.4時間未満 |
有給休暇取得率(連結) | 66.8% | 70.9% | 72.2% | ー |
有給休暇取得率(単体) | 66.5% | 70.9% | 71.9% | 80%以上 |
定期健康診断受診率(単体) | 100% | 100% | 100% | 100% |
40歳以上+30歳女性がん健診受診率(単体) | 44% | 42% | 71.8% | 60%以上 |
禁煙率(単体) | 17.5% | 16.0% | 16.1% | 12%以下 |
メンタル研修受診率(セルフ)(単体) | 100% | 100% | 100% | 100% |
メンタル研修受診率(ライン)(単体) | 100% | 99% | 100% | 100% |
労働災害件数(単体) | 0件 | 0件 | 0件 | ー |
労働災害強度数(単体) | 0.00 | 0.00 | 0.00 | ー |
持続的成長を実現する人材・組織開発
当社は、自らチャレンジすることで会社の変革・成長に貢献し続け、かつ、お客様満足の追求に力を発揮できる人材の育成に取り組み、社員一人ひとりが高い専門性と自律的な行動、さらに市場環境の変化に対応できる能力を身につけることを目指しています。
今後グループビジョン2030に基づき、事業戦略に合致した人材ポートフォリオを策定し、そのギャップを埋めるため人材・組織開発に計画的に取り組んでいきます。そのために必要な研修には費用・時間を積極的に投資してまいります。
<人材育成体系>

研修関連指標と資格保有者数(単体)
2023年3月期末 | 2024年3月期末 | |
---|---|---|
一人あたり研修費用 | 45.0千円/人・年 | 49.9千円/人・年 |
一人当たり研修時間 | 25.2時間/人・年 | 25.8時間/人・年 |
1.次世代リーダー候補者育成
当社では経営幹部候補者から若手のハイポテンシャル人材まで次世代リーダー候補者を社外、海外現地法人への派遣も含めた戦略的な人事ローテーションの実施と選抜による外部教育機関への派遣等により計画的な育成に取り組んできました。2023年3月期から改めてその取組を強化し、サクセッションプランの本格的展開をスタートさせています。
更に2024年3月期から本格的な取組として上期に候補者の定期見直しと強み・育成強化ポイントの議論とそれに基づく育成計画を話し合い、下期に育成状況の進捗確認とそれに基づく翌年度の人事異動案の作成を行うこととし、そのサイクルを毎年廻していく仕組みとし、実行しました。これにより若手から幹部直前の層まで次世代リーダー候補者一人ひとりの育成状況と成長、育成に向けた業務アサインについて経営幹部で議論を配置、アサインにつなげています。加えて候補者へ外部専門コーチの付与や外部機関のリーダー育成プログラムへの派遣を実施し、計画的に育成を図っています。これらの取組みにより2024年度には40歳代の執行役員が2名誕生する成果も出ています。
また、社長のサクセッションプランについても、後継者の選定・評価・育成の視点を整理するとともに年間スケジュールを定めて定期的に指名・報酬委員会でレビューしていくことにしています。
2.キャリア自律を促す人材育成制度の拡充
キャリア自律を促進させるため、従来から実施していた自己申告制度を元にした希望の叶う人事育成配置に加えて、2022年度に人材公募制度を導入しました。導入時は3ポジションの募集であったものを2023年度は17ポジションに増やすとともに、募集部門の部門紹介ビデオ作成、説明会の実施を行うなど、キャリア自律の機会拡大を行いました。
また、キャリア形成支援施策として自己理解、キャリアの棚卸、キャリアコンサルタントとの相談を通じた「キャリアを考える機会」ワークショップを、30歳代全員125名を対象に実施し、キャリア自律に関する意識向上を促進しました。2024年度は引き続き、20歳代、40歳代の実施を計画しています。
研修においては、個々人の多様な業務・役割に則した自律的な学習・キャリア形成を支援できるよう外部教育機関と提携して専門性を高める研修を含め幅広いニーズに応える研修メニューを提供し、金融関連有資格者の計画的育成を図っています。
2024年3月期末資格保有者数
貸金業取扱主任者 | 204人 |
---|---|
宅地建物取引診断士 | 58人 |
ITパスポート | 259人 |
3.組織カルチャーの変革とマネジメントの強化
2023年4月に策定したグループビジョン2030、中期計画2025の実現に向け、2023年度4月に従業員に期待する行動基準の策定とそれに基づく行動評価の仕組みを新たに導入しました。ビジョン実現向けた行動基準は「顧客志向」、「自ら進化」「挑戦」、「スピード」、「オープンコミュニケーション」の5つのカテゴリーとし、それぞれにおいて期待行動の事例を示すことにより、一人ひとりの言動を変え、それにより組織カルチャーの変革につなげていきます。制度導入後に全管理職を対象にワークショップを実施し、制度の理解浸透を図るとともに運用上の課題と対策について議論を重ね、評価・育成の向上につなげています。
また、挑戦・変革の組織カルチャーを現場で効果的に実践する上では、マネジメント力とオープンで心理的安全性の高い職場風土が欠かせないことから、マネジメント力の強化と心理的安全性を高めるための施策を実施してきており、今後も継続的にその取組みを強化、実践していきます。
<これまでの実践施策>
施策 | |
---|---|
2019年度~ | 全管理職を対象にコーチング研修 |
2021年度~ | 全管理職を対象に評価・育成研修 |
2022年度~ |
1on1導入 上級管理職を対象とした360度フィードバック 役員・全管理職 を対象としたアンコンシャスバイアスワークショップ |
2023年度 |
ビジョン2030実現に向けた行動変容を促す要素を入れた「行動評価」を導入し、その理解促進と課題対応を討議するワークショップを実施 前年に引き続き級管理職を対象とした360度フィードバック 全社員を対象としたアンコンシャスバイアス研修 |
e.テクノロジー活用による働き方改革
社員一人ひとりが、自律的に働き方や働く場所を選択できるように、全社員にモバイルパソコンやスマートフォンを配備し、自宅やサテライトオフィスなど、状況に合わせて柔軟に業務が行えるようIT環境を整備しています。また、生産性の向上、BCP、環境配慮の面で紙を削減・廃止し、デジタルを用いて仕事が進められるよう承認プロセスの電子ワークフロー化の促進なども進めてきました。今後はDX基盤となるコアシステムの立ち上げやRPA(Robotic
Process
Automation)の活用,生成AIの活用などDX活動をより推進し、高い生産性の実現を目指していきます。2024年4月にDX推進室を設置し、生成AIの活用、IT関連スキル教育の企画、促進を図っています。
本社オフィスには、社員間のコミュニケーションを促すコラボレーションスペース、個人が集中して作業やWEB会議を行えるブースなど、様々な機能を兼ね備えたオフィスデザインとし、働き方に合わせて最適な場所を選ぶことができる環境を整えています。自律性を高め、新たな発想が生まれることを期待するフレキシビリティの高いオフィスとしています。
