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港区立御田小学校(2011年実施)

第1回港区立御田小学校「生きものとおはなししよう!」2010年12月8日(水)

今年度4校目、港区立御田小学校の第1回目訪問。
御田小学校はお寺に囲まれており、都会とは思えないほど鳥の声が聞こえます。
大きな道路に面し、オフィスビルが林立している田町駅から徒歩15分程の所に、こんな環境があるとは驚きです。
この小学校では、秋田県の小学校と交流を深める「秋田交流活動」を34年前から行っており、自然・環境教育の活発な小学校です。
今回は、4年生2クラス56人の子どもと一緒に授業を行っていきます。



都会の小学生でも、さすがに環境教育に熱心な御田小学校の生徒たち。飯嶋先生の質問に積極的に答え、次々と生きものの名前を口にしていきます。

飯嶋先生が「時間がないから早めに描いていくね。でも御田小学校の生徒は優秀だから、ついてこれるよね!」と言うと、子どもたちは一斉に自分のノートに向かい、一生懸命手を動かして黒板の絵を書き写します。





質問したり答えたり、絵を描いたりしているうちに、あっという間に授業は終了の時間。生きものの絵をたくさん描いた子どもたちは、生きものとお話をする方法を少しずつ理解し始めたようです。



授業が終わっても、子どもたちはなかなか教室から出ようとせず、黒板に描かれた飯嶋先生の絵に見入っていました。これから、もっと生きものについて学んでいけば、すばらしいビオトープを造ることができるでしょう。



次の授業は学校近くの三田台公園の探索です。御田小学校の周囲にはどんな生きものたちがいるのでしょうか。


《小学校から見える風景》


(訪問日:2010年12月8日)     

第2回港区立御田小学校「学校の周りの生きものの道を探そう!」2010年12月10日(金)

第2回目港区立御田小学校の訪問です。
今日は2時間を使って、校外と教室で授業を行います。

まず1時間目。校庭に集合して、学校の近くにある三田台公園へ生きものを探しにいきます!


校門を出るとすぐに、電線にまきついているジョロウグモを見つけました!普段何気なく歩いている道ですが、ゆっくりと探しながら歩いていると、すぐ近くに多くの生きものを見つけることができます。



三田台公園に着くと、子どもたちは公園中を駆け回り、生きものを探し始めました。



子どもたちは、木や地面に顔を近づけ一生懸命に生きものを探します。 すぐにあちこちから「見つけた!飯嶋先生、これ何ですか?」と声が上り、そこに一斉に子どもたちが集まります。





次は、公園内にあるビオトープの観察です。1メートルくらいの高さの草が、敷地の殆どを占めています。いつもは施錠されていて入れない場所。子どもたちは、オオオナモミの種子をたくさん服につけ、少し興奮気味に草木の間を走り回ります。





校外学習の最後は、学校のビオトープの観察です。学校のビオトープやその周辺には、どんな生きものがいるでしょうか。ビオトープの底をすくってみると、シオカラトンボのヤゴがたくさん遊びに来ていました。でも、他の種類のヤゴはほとんどいません。




2時間目は見つけた生きものの発表です。 子どもたちは、「はいっ!はいっ!」と勢いよく手を上げて生きものの名前を口にします。 飯島先生はそれらの生きものが好む植生を教えてくれます。「中くらいの高さの草が好きな虫が多くて、背の高い草が好きな虫がいなかったね。三田台公園のビオトープの草は、みんな同じくらいの高さだから、生きものの種類が少ないんだ。学校のビオトープも、シオカラトンボのヤゴは好きだけど、他のヤゴはあまり好きじゃないんだね」 子どもたちは、いろんな生きものが住むことができる環境について真剣に考え始めました。





最後に飯嶋先生は「近くの有栖川公園・目黒自然教育園や、去年ビオトープを造った近くの笄小学校からも、もっと多くの生きものを呼ぶことが出来るよ!では、どんなビオトープを造ればいろんな種類の生きものたちが遊びに来てくれるのか考えてみよう!」とみんなに言います。 次回は設計図の発表。たくさんの生きものが遊びに来てくれるビオトープ造りが、いよいよ始まります。


(訪問日:2010年12月10日)     

第3回港区立御田小学校「生きもののすみかを考えよう!」2011年1月14日(金)

今日は、設計図の発表です。各クラス4班ずつに分かれて発表開始です!




みんな自分たちのビオトープの特長となぜそのように工夫しようと考えたのかを、指し差し棒を使いながら説明していきます。

各班それぞれビオトープの名前を考えました。
どの班も生きものの気持ちを考えた名前になっています。

1班「生きものが心地よく過ごせるビオープ」
2班「自然や生きものがいっぱいなビオトープ」
3班「自然ゆたかなビオトープ」
4班「生きものがいっぱいくるビオトープ」
5班「いろんな生きものがすめるようなビオトープ」
6班「生きものがすみやすいようなビオトープ」
7班「虫が気持ちよくすめるようなビオトープ」
8班「生きものが自分からよって来るビオトープ」



互いに意見を出し合うのですが、前の班で飯島先生が教えてくれたことを、次の班にも取り入れたアイディアがどんどんと出てきます!
「日陰はどこですか?」
「カエルが入ってくる入口はどこですか?」
「どうやって池の深さに変化をつけるのですか?」
「もっと深いところを造った方がいいと思います。」
「草木の高さを変えた方がいいと思います。」
最後に飯島先生は、「ビオトープを造るのに大切なことは、生きもののバランスを考えること・生きものの視点から考えること・自然のしくみを活かすこと。」と教えてくれました。
次回の造成では、今日の飯島先生の言葉を忘れずに造成して欲しいと思います。


(訪問日:2011年1月14日)     



第4回港区立御田小学校「ビオトープを造ろう!」2011年1月20日(木)・25日(火)

今回は事前作業を含め、2日間に渡りビオトープ造成を行います。

1月20日(木)

今日行う作業は、既存の池を空にすることです。
御田小学校の池には、多種類の植物・土が入っていて底が見えず、どんな生きものがいるのかもわからない状況です。ザリガニがいるとの話を主事さんから伺っていましたが、ザリガニは肉食であり、何でも食べてしまうことからビオトープにはふさわしくない生きものです。
メダカを放流するためには、そのザリガニを取り除き、今の池を「空っぽ」にしなくてはいけません。
中休み・昼休みを利用して、子どもたちは当社ボランティアと一緒に池の「生きもの救出作戦」を実行しました。





土の中には、ヤゴ約20匹・ドジョウ1匹・金魚1匹が生息していました。結局ザリガニは1匹もいませんでした。この夏、主事さんが頑張って駆除してくださったおかげです。
無事にメダカを放流出来そうです。

1月25日(火)

空っぽになった池に土・水草を入れて、ビオトープを完成させます。

土の量は3立米と今年度一番の量で、子どもたちは山積みされた土を見ただけで、びっくりしていました。



いつもは土が重いので、大人がスコップでバケツに取り分けていきますが、今日は子どもたち自らスコップを持ち、土を分けていきます。
子どもたちは、「重いよ~!」と言いつつも、笑顔で土を分け、バケツで池まで運んでいきます。
「どうやって池の深さに変化をつけるのですか?」





空になった池の中には、土の形成係がいて、「こっち土が足りないから、こっちに土持って来て!」「もっとこっちを浅くした方がいいんじゃない?」と、子どもたちはお互いの意見を出し合いながら、土を入れていきます。





土運びと同時に行ったのが水草植え。子どもたちは「どれくらい深く植えればいいんですか?」と堅い土に悪戦苦闘しながら、水草を植えていきます。



あっという間に大盛りだった土はなくなり、池の中に深い場所と浅い場所ができ、だんだんと完成に近づいてきました!
水を入れ、いよいよ最後のメダカの放流です!先生が、「放流したい人!」と言うと、子どもたちは一斉に手を上げ、じゃんけん大会が始まりました。じゃんけんで勝った代表の子が放流をします。



みんな完成した池をのぞき込み、メダカが泳いでいるのを静かに眺めています。

最後に飯島先生が枯れ葉で、さらに生きものを住みやすいビオトープにしてくれました。 枯れ葉は冬の間にじっくりと養分になります。暖かくなった時、どんな生きものたちがすんでいるでしょうか?



(訪問日:2011年1月20日・25日)