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トップメッセージ

代表取締役社長 今関 智雄

次世代循環型社会に向けて
CSV経営を進化させていきます。

代表取締役社長
菅沼 正明

NECキャピタルソリューショングループは、この10年間推進してきたCSV経営をさらに深め、新たな時代に向けて進化させます。
ここでは、次世代循環型社会をキーワードに新たな価値の創出に挑み、未来のキャピタルソリューションを目指す私たちの取り組みを説明させていただきます。

グループビジョン2030実現に向けたロードマップ

「グループビジョン2030」に掲げる次世代循環型社会についてご説明願います。

変化に適応した高度な社会への貢献を想定し、「次世代循環型社会」をキーワードに掲げました。

これまで当社は、事業を通じて社会課題を解決し、社会への貢献が利益につながる「CSV経営」を標榜してきました。この考え方や価値観は、私たちの事業活動の根幹であり、新たなグループビジョンにおいても変えることなく維持していきます。しかし昨今、気候変動の深刻化や感染症のパンデミック、地政学リスクの高まり、金融不安の波及等、過去にない変化が世界を覆い、先行きが見えない状況となっています。また、デジタル技術(IoT※1、AI※2、ロボット)等の先端技術の発展、DXによる新たな価値創出やビジネスモデル変革等の産業や社会生活の大きな変化が想定されます。そうした中で社会への貢献を果たすために、私たちはビジネスをどう展開し、何を目指すべきか。考えを深めながら、変化に自律的に対応していく必要があります。
リース業は元来、資源の再利用や効率向上により環境負荷の低減に寄与し、循環型社会の形成に直接的に資するビジネスと言えます。今後は、SDGsが目指す2030年以降の社会を見据え、「循環」をさらに発展させながら、新たな価値を生み出していく取り組みが求められると認識しています。そうした考えのもと、当社はグループビジョンのゴールをSDGsと同じく2030年に定め、時代の変化に適応した高度な社会への貢献を想定し、「次世代循環型社会」をキーワードに掲げました。
私たちは、モノの循環利用と地域経済・社会の好循環、企業成長の好循環につながるサービスを創出し、その提供を通じて次世代循環型社会をリードします。
新たなグループビジョンのもう一つのキーワードは、「Solution Company」です。当社は、お客様の経営課題を解決すべく、ベンダーファイナンスやICTサービス、金融プロダクトのソリューションを革新し、事業領域の拡大と共に循環型サービスの創出を図ります。その達成に向けて力を合わせ、社会変化の中で同じ方向を目指し、共に歩んでいく仲間・集団という意味をCompanyという語に託しました。

※1 IoT: Internet of Things、あらゆるものが通信機能を持ち、ネットワークにつながること。
※2 AI: 人工知能のこと。一般的に、人間の言葉の理解や認識、推論等の知的行動をコンピュータに行わせる技術を指す。

グループビジョン実現の取り組みにおいて、どのような強みを発揮していきますか?

ICT機器に関する専門性、官公庁・自治体との取引関係、リサ・パートナーズの営業力が強みです。

当社が持つ強みの一つは、ICT機器の扱いに関する専門的な知見を有し、それを活かした金融ソリューションを提供できることです。これまでは、ベンダーとの緊密な関係のもとハードウェアのリースを主に扱い、サービスを付加したビジネスを展開してきました。近年、多くのICT機器がサブスクリプションやSaaS※3による提供に移行しつつある中で、従量課金の仕組みやシステム構築等に先行投資するベンダーは、ROICやキャッシュ・コンバージョン・サイクルをより意識した経営が求められ、そうした財務面をサポートすることも当社の新たな役割になっています。NECグループの中では、事業会社が抱える知財や所有権の問題に当社が関わり、解決を図ることも行っています。他のICTベンダーからもサブスクリプション化に関する相談等を受けています。
官公庁・自治体との取引が多い点も、強みとして挙げられるでしょう。当社は、NECグループとの顧客共有を通じて、国内1,800を超える官公庁・自治体から取引をいただいており、これが営業活動の強力な基盤となっています。多くの実績により、官公庁・自治体ごとに異なる入札及び契約の手続きを的確にこなし、導入機器の一斉切り替えやGIGAスクール構想※4に用いられる端末の大量納入等、大きな動きを迅速に進めることができます。そうした強みをもとに、PFI事業にも力を入れており、例えば給食センター整備事業においては20件超の案件に携わってきました。
もう一つの強みは、インベストメント事業を行う子会社リサ・パートナーズが持つ全国約180の地域金融機関とのネットワークや不動産分野の知見です。当社は、リサ・パートナーズとの連携により金融ソリューションを提供しており、そこでこれらの強みや同社の素早い判断力を活かした取り組みを行っています。
私たちは、次世代循環型社会の実現に向けて、ここに挙げた強みを発揮したビジネスを展開し、キャピタルソリューションの革新を進めていく考えです。

※3 SaaS: Software as a Service、インターネットを通じてソフトウェアを利用する形態。
※4 GIGAスクール構想: 文部科学省が推進する全小中学校向けICT端末配備事業のこと。

終了した前中期経営計画を振り返り、成果と課題をお聞かせください

種を蒔いた新たなソリューションが実を結び、収益力が着実に高まってきたと捉えています。

このたび終了した「中期計画2020」(計画期間:2020年度~2022年度)は、「コア領域の拡充」と「新事業の収益化」を事業戦略の柱とし、これを支える経営基盤強化戦略と共に推進することで、CSV経営の実現に向けた10年間の取り組みを締め括るものでした。
結果として2022年度連結業績は、計画目標の「営業利益110億円」「経常利益120億円」をいずれも達成し、親会社株主に帰属する当期純利益についても、3ヵ年累計の目標値を上回ることができました。過去数年間に仕込んできた新しいソリューション作りが実を結び、収益力が着実に高まってきたと捉えています。しかし当社の収益力は、業界水準と比較してまだ低く、継続的な課題としてさらなる向上を図っていきます。
新事業については、ヘルスケア、エネルギー、観光、農業の4領域に注力し、金融サービス周辺で収益の獲得を目指すとともに、地域活性化につながる当社ならではのサービス提供を目指しました。このうちヘルスケア領域は、不動産ファイナンスと組み合わせた取り組みが成果を上げ、またエネルギー領域は、太陽光発電等再生可能エネルギーの普及拡大を受けてアセットを増やし、いずれも収益化を果たしました。一方、観光領域は、コロナ禍によるマイナス影響が大きく、農業領域も収益化には至りませんでした。
今後は、事業として一層踏み込んでいく領域と、学びを活かしつつ絞り込む領域を見極め、次の3年間で取り組みを発展させてまいります。

新たに策定した「中期計画2025」で目指すものをお教えください。

財務目標と非財務目標を設定。事業を通じて環境・社会課題を解決する姿勢を打ち出しました。

2030年に向けて「グループビジョン2030」を実現していくファーストステップとして、「中期計画2025」(計画期間:2023年度~2025年度)を策定、始動しました。本計画は、事業戦略として「サービス事業の拡大、新たな循環型サービスを創出」「注力事業への戦略的投資による成長加速」「ベンダーファイナンスの強化及び顧客基盤拡充」を推進し、次世代循環型社会の実現に向けて収益の柱を作り上げていきます。
循環型サービスの創出においては、不動産のバリューアップや、PFI・PPP事業を通じた老朽化インフラへの対応加速等、既存の取り組みに新しいものを付加し、「循環」を大きく回していくことを考えています。ICT関連サービス等の注力事業は、より大きな収益向上を見込んでいますが、そのためには人材の拡充やM&A等への戦略的投資を是々非々で検討する等、今後の成長加速に向けて、積極的に行っていく方針です。
計画目標は、財務目標と非財務目標を合わせて設定しており、事業活動を通じて環境・社会問題を解決し、人的資本の強化を推進する姿勢を打ち出しました。財務目標は、計画3年目の2025年度連結業績における「親会社株主に帰属する当期純利益100億円」「ROA 0.9%」「ROE8%」の達成を目指します。非財務目標は、環境・社会課題について「CO2排出量(Scope1+2)2022年度比20%削減」「再生可能エネルギー発電容量100MW」等5項目、人的資本について「従業員エンゲージメントスコア34%」「女性管理職比率10%」の2項目を掲げました。
財務目標は、収益力強化の途上にある当社にとって高いハードルではありますが、グループ全体の力でクリアし、高めた力を次の飛躍につなげたいと思っています。
この3年間は、脱炭素化やSDGs対応の流れがますます加速し、官公庁・自治体による老朽化インフラ対策の資金ニーズも増加する見通しです。先ほどもお話したとおり、既存の取り組みに新しいものを付加したサービスの作り込みによって、それらの機会を取り込み目標達成を目指します。

ステークホルダーへのメッセージをお聞かせください。

世の中が求めるものをタイムリーに捉え、プライム市場上場企業にふさわしい経営を推進します。

当社は、2015年に事業活動と経営基盤に関するマテリアリティ(重要課題)を特定しましたが、今回「グループビジョン2030」の策定に合わせ、これを再特定し、環境・社会への貢献に直接的につながる言葉に変えました。5項目のマテリアリティのうち、「人的資本への投資」は、私自身が「従業員が誇りに思える会社作り」をミッションの一つに掲げていることから、とりわけ重視している課題です。CSV経営における価値創出の源泉は、人材に他なりません。従業員エンゲージメントの向上や多様性の確保、健康経営の実現に取り組み、人材開発や働き方改革に向けDXの活用等も含め積極投資していきます。
次に、利益の配分についての考えをお伝えしたいと思います。当社は、人的資本への投資、成長戦略への投資、株主・投資家の皆さまへの利益還元の3つについて、状況に合わせた最適なバランスを常に意識し、実行してまいります。
なお利益還元については、2022年度の年間配当を1株当たり110円(中間37円・期末73円、配当性向36.9%)とし、前年度比36円の増配を行いました。2023年度は、連結業績の増収・増益を見込んでいることから、年間配当同130円(中間65円・期末65円、配当性向37.3%)とさらなる増配を予定しています。
プライム市場上場企業として、PBR 1倍以上の水準を目指すべく、長期的には人的資本投資及び事業投資を成長戦略に織り込むとともに、短期的には利益還元の拡充を業績向上へのコミットメントとして、これを実行していく考えです。
私たちは、ステークホルダーの皆さまとのコミュニケーションを通じて、時代の変化や社会的要請、世の中が求めるものをタイムリーに捉え、それを経営に活かしていくことで、企業理念に掲げる「より豊かな社会の実現」に貢献してまいります。これからもNECキャピタルソリューショングループへの長期的なご支援を賜りますようお願い申し上げます。

中期計画2025