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グループビジョン実現と当社のマテリアリティ

グループビジョン実現と当社のマテリアリティ

取締役

手塚 修一

当社にはさまざまな経験や背景を持つ多様な人材が集まっています。
これら多様な価値観を持った社員全員のよりどころとなる考え方を定めたのがグループビジョンであり、グループビジョンに描いた企業になるために、優先的に取り組まなければならない課題がマテリアリティです。ここでは当社グループビジョンとマテリアリティの成り立ちに加え、その取り組みについてご紹介します。

激変する市場、多様化する人材

当社が現社名の「NECキャピタルソリューション」となったのは、2008年11月のことです。2008年4月には、リース会計基準の変更が正式適用されました。リース利用のメリットの一つであった「オフバランス処理」が大部分のリース取引において認められなくなり、大企業のお客様を中心にリース離れが進みました。2005年には8兆円に迫る勢いだった国内リース取扱高は、その後発生したリーマンショック等の影響もあり、2009年に5兆円を割り込むまでとなりました。

以前の社名は「NECリース」でした。国内市場が急速に縮小する中で、リース以外の新たな収益源の獲得を目指し、社名をNECキャピタルソリューションに変更しました。ファクタリング(債権買取)や債権流動化に加え、当時新たな取り組みだった動産担保融資(ABL)や専門性の高い金融ソリューションとしてM&A関連のバイアウトファイナンス、さらに不動産関連融資のメザニンローン等にも取り組むようになりました。企業再生・投資事業に強みを持つ株式会社リサ・パートナーズの子会社化もこの時期の取り組みです。

多様な価値観を束ねるグループビジョン

数年の間で急速に事業を拡大できた背景は、経験者採用です。これは当時だけでなく現在も続き、当社社員の約4割は経験者採用での入社です。従来の旧NECリース社員に加え、さまざまな経験・知識を持つ人材が加わることで、お互いに磨かれ、アイデアを生み出し、ユニークな事業展開を支えてきたわけですが、同時に市場環境が大きく変化する中で、多様な人材、多様な価値観を束ねていくために、当社が目指すべきもの、判断に迷ったときによりどころにするものを明確にする必要が出てきました。そこで策定されたのが、当社グループビジョンです。

グループビジョンでは、事業を通じて社会価値を向上させるCSV経営の考えを取り入れました。「社会価値向上」と言うと大上段に構えた話のように聞こえますが、当社の特徴の一つである官公庁・自治体向けのリースビジネスは、まさに社会基盤構築を通じて「社会価値向上」を目指すものであり、これは、当社の中に脈々と流れ続けてきたDNAと言えます。現在のグローバルビジネスへの進出、さらには新事業領域へのチャレンジへと通じています。

マテリアリティはグループビジョン実現のためのツール

社長対話会の様子

グループビジョンの実現に向けて、中期計画を3回積み重ね10年かけて取り組むものとしました。またその進捗を測る測定ツールとして、マテリアリティの特定に取り組みました。当初は、一般的なISO26000のフレームを活用してCSRの視点で整理していましたが、事業を通じて社会価値を向上させるCSV経営の実現を目指していることから、社員が取り組むべき活動を具体化できるよう、当社の活動ベースでの言葉に置き換えて当社独自のマテリアリティとすることにしました。抽出にあたっては、全役員、全執行役員にヒアリングを実施し、それぞれが直面している課題を抽出し、3つのマテリアリティと29の詳細課題に整理し、最優先課題の8課題に対して重点的に取り組んでいます。

注目していただきたいのは、最優先課題の一つに「従業員満足度の向上」が挙がっていることです。金融サービス業である当社において社員こそが競争の源泉です。当社ではいち早く働き方改革に取り組み、社員の意見を吸い上げる仕組みの整備に取り組んできました。社員が気持ちよく働くことで生産性が向上し、ひいては業績向上にもつながるものと確信しています。

マテリアリティの解決に向けて

こうして抽出したマテリアリティは、全部門の部門目標に組み入れて毎月モニタリングを継続しています。当社の中期計画は「コア領域の拡充」「新事業の立ち上げ、収益化」「経営基盤の強化」の三本柱です。戦略を進めていく中で、コア領域の賃貸・割賦事業は順調に資産を積み上げ、5年前に模索を始めた新事業は、エネルギー・ヘルスケア・農業・観光の4分野に定めて、社会・ICTインフラの整備、地域社会・経済の活性化、地球温暖化の防止、高齢社会への対応といった社会課題を意識した取り組みを進めています。またコンプライアンス、業務効率化を推進する体制整備も着々と進んでおり、この三本柱に全社で取り組むことでグループビジョンの達成を目指します。

社員一人ひとりが最大限のパフォーマンスを発揮するために

社名の「ソリューション」が示すように、当社は、お客様の経営資源に関わるさまざまな課題に対して解決策(ソリューション)を提供できる会社でありたいと考えています。それを具現化するのは社員一人ひとりであり、その実践において大切なのは、社員がグループビジョンを自分事として理解することです。当社では、グループビジョン策定や中期計画策定のタイミングで、全部門全拠点を対象とした社長対話会を実施し、自部門におけるグループビジョン実現の形とは何かをディスカッションします。誤解があれば軌道修正し、迷いがあれば共に議論し、課題があれば適切な担当部署と連携し、見直し・改善を行います。こうした取り組みを定期的に繰り返すことで理解が深まり、自分事化され、社員一人ひとりが自身の置かれた立場において最大限のパフォーマンスを発揮できるようになると考えています。グループビジョン実現に向け、事業戦略はもとより、社員に向けた取り組みを加速していきたいと考えています。