わくわく子どもの池プロジェクト情報配信サイト

荒川区立尾久西小学校(2007年実施)

第1回尾久西小学校訪問「生き物とお話しよう!~メダカ編~」2007年6月1日(金)

初夏を思わせる強い日差しを浴びながら、この日初めて「わくわく子どもの池プロジェクト」第1号の荒川区の尾久西小学校を訪れました。 今回はこのプロジェクトを協力して下さるアサザ基金の代表、飯島さんによる「生き物とお話しよう!~メダカ編~」1回目の授業です。



久しぶりに小学校を訪れる私たちがハラハラしているのとは対照的に、アサザ基金の飯島さんは気がつくと教室の子供たちの席のど真ん中に座り、楽しそうに子供たちと話しをされ、何ら違和感を感じさせず、その様子に「さすがだなぁ」と思わず関心。



さらに驚いたのは授業の様子でした。
慣れた手つきですらすらとカッパや昆虫の絵を描いていく様子に子供たちは興味津々です。霞ヶ浦での湖再生の話を通じて、子供たちの表情も次第に真剣に変化していくのがわかります。また、様々な「なぜ」を子供たちに問いかけることで、自然と「考える時間」を与え、みんな夢中で話を聞いています。この授業の中で飯島さんワールドに子供たちだけではなく、私たち大人も魅了させられました。

一通り授業が終わると、その足で先生やアサザ基金のみなさんと実際の現場を視察。 池の場所や、大きさなどを具体的に決めました。



この小学校では、以前独自に造成したビオトープの再生に委員会活動で取り組みます。ビオトープを心待ちにしている子供たちの表情を見ると、私たちも早く創りたくて仕方ありません。



第2回尾久西小学校訪問「学校にいろんな生き物を呼ぼう!」2007年7月5日(木)

荒川区尾久西小学校の2回目の訪問です。
今回は、前回の授業「生き物とお話しよう」を受けて、もっとたくさんの生き物を学校に呼びたくなった子どもたち。どんなすみかを作ったら良いか、みんなで考えた設計図を持ち寄りました。メダカが住みやすいように浅い場所を設ける、卵を産めるように水草を植えたら良いなど、子どもたちが思い思いの設計図を発表してくれました。



その設計図案を基に、アサザ基金の向山先生が「生き物のすみか」を造るためのポイントを教えてくれました。ポイントとしては、”生き物とお話”すること。「体のつくりとくらしとすみかは関係があるから、体のつくりとくらしを良く調べてみよう!」というものでした。子どもたちの眼差しも皆真剣で、活発な意見や質問が飛び交いました。
果たして同じような授業が私たちボランティアで出来るだろうか?ちょっと心配です。(現状はアサザ基金の皆さんに、子どもたちへの授業をお願いしていますが、いずれは我々ボランティアメンバーで導入授業からビオトープ造成まで一連の活動を行いたいと考えているのです。)



次回の授業は9月初旬。ずいぶん間があいてしまいますが、子どもたちは夏休みで学校がお休みとなります。そこで、向山先生から子どもたちに「夏休みの宿題」が出されました。「学校のまわりにどんな生き物が住んでいるのか探してみよう」というものです。目的は、学校の近くに住んでいる生き物は学校に来てくれるかもしれません。そのため、トンボやカエルなど、呼びたい生き物の体のつくり、くらしに合わせてすみかを考える必要があるのです。いろいろな生き物が住めるビオトープにするための大切な宿題なのです。
さて、子どもたちは「夏休みの宿題」をやってきてくれるのでしょうか?

次回の授業では、ビオトープの設計図を完成させます。どんな設計図が出来るのでしょうか?メダカが住める池になるのでしょうか?本当に近くの公園からトンボが飛んでくるのでしょうか??

今後の報告にご期待ください。



第3回尾久西小学校訪問「設計図を完成させよう!」2007年9月6日(木)

秋の気配も感じ始めた9月初旬、ビオトープ造成に向けた第3回目の授業が行われました。前回の授業では、子どもたちが考えてきたビオトープの設計図を発表してくれましたが、今日はその設計図をついに完成させます。夏休み明け真っ黒に日焼けした子どもたちに会うのが楽しみです。

まずは、夏休みにやってきた宿題を発表。尾久の原公園などの学校の最寄りの公園にどんな生き物がいるのか観察したものを発表します。



アオスジアゲハやオオムラサキなどの蝶を見つけた子が多く、他にもトンボを見つけた子どもたちがいました。尾久の原公園にはトンボ池があるため、様々な種類のトンボがいるようです。どうやったらそういった生き物がこれから造るビオトープに来てくれるのか、みんなアサザ基金の飯島先生の話に熱心に耳を傾け聞いています。



前回子どもたちが作ったビオトープの設計図案に対し、飯島先生が丁寧に解説を加え、子どもたちの意見を引き出しながら設計図をまとめていきます。敷地の大きさから、あまり大きなビオトープを造成出来ないため、小さい生き物しか池には入れられないようです。夏休みにつかまえた魚を入れようと考えていた子などはちょっとがっかりした様子でした。
いよいよ次回の委員会でビオトープを造成します。ボランティアとしても初めてのビオトープ造りですので、今からワクワク胸が高鳴ります。



第4回尾久西小学校訪問「ビオトープを造ろう!」2007年10月4日(木)

尾久西小学校の4回目の訪問。これまで3回の事前授業を経て、今日いよいよビオトープを造ります。お天気にも恵まれ、絶好のビオトープ造り日和です。
ビオトープを造成する大まかな流れとしては、(1)ビオトープ用の穴を掘り、(2)その穴にビニールシートをかけ、(3)ビニールシートを土で覆い、(4)水草等の植物を植え(5)水を入れる、 となっています。今回は、造成予定地の土の中に植物の根や石が混ざっていたため、重機を使って穴を掘ることとなりました(通常は子ども達が穴堀りをします)。学校に重機が入るということで、作業は子ども達が登校する前、早朝よりスタートしました。




重機で耕した土の中から、ネザサと呼ばれる植物や、石を取り除き、ビオトープの土台となるよう形を整え、ビニールシートを敷き込む作業までをボランティアメンバーやアサザ基金の方と行ったところでお昼休みとなりました。


 

学校の配慮で、昼食は給食をいただくことが出来ました。それぞれ十数年ぶりの給食を堪能。心なしか子どもの頃食べた給食よりおいしくなっているような気がしました。




お昼休みには、4年生の子どもたちが手伝いに来てくれ、ビニールシートの上にかぶせる土を一緒に運びました。子どもたちは自ら重いバケツをどう運ぶのが効率的かを考え、バケツリレーをスタート。とても楽しそうです。


 

子どもたちの土運びを手伝う我々ボランティアメンバーの顔も自然とほころびます。その後、別のクラスの子どもたちもお手伝いに来てくれ、ビニールシートを土で覆う作業もほぼ完了。
授業時間も終わり、委員会活動の時間となりました。今回のビオトープ造りに向けて、事前授業や設計図作成をしてきた飼育・栽培委員会の子どもたちの登場です。委員会の子どもたちはビオトープの土台が出来ていること、またビオトープが想像より大きいことに驚いている様子です。委員会活動の時間では、水草などの植物を植え、ビオトープに水を入れます。みんな見たことのない植物にドギマギしながらも、進んで植えてくれました。


 

ビオトープに水が半分くらい入ったところで委員会の時間は終了。飼育・栽培委員の子どもたち以外にも、いろいろな子どもたちが興味津々そうに集まってきました。水が入りきるのにだいぶ時間はかかりましたが、その間に早くもビオトープのお客さん、トンボが数匹やってきて、卵を産み落としていったようです。みんなとてもうれしそうでした。今日は水は濁ったままですが、明日になれば土などが沈殿し、透明になるようです。明日、子どもたちはどんな笑顔を見せてくれるのでしょうか。その様子が見れないのが残念です。今回初めて子どもたちとビオトープを造成しましたが、子どもたちが積極的に造成作業に参加してくれて、本当にうれしいの一言でした。

【完成図】



【ボランティア参加者感想】
・笑顔で掘る子供達との作業は新鮮で、水を張った池に飛んで来たトンボを見た時これからどんな生き物達が集まってくるのか想像するとわくわくした。作業を終えた子供達の笑顔はとても温かい気持ちにしてくれた。

・「自分達の池を作ろう」と子どもたちはとても真剣で、完成までのプロセス(土を運んで、均したり。水を張って水草を加えたり)一つ一つ非常に楽しんでいたのが印象的でした。トンボが「池の完成はまだか」と早くも空を舞っていました。

・大人の勝手な思いこみが、しらけた子どもたち相手に空回りするのでは?そんな心配はあっさり裏切られました。盛り上がる子どもたちの顔に体の痛みを忘れます。次回までにもう少し生き物の勉強をしたいと思います。



第5回尾久西小学校訪問「ビオトープの観察」2008年2月7日(木)

尾久西小学校の5回目の訪問。
10月に造成したビオトープの名前を全校児童から募集したところ、「野生の王国」「ピースポンド(平和な池)」「希望の池」など、たくさんの名前が集まりました。飼育栽培委員会の選考の結果、いろいろな生きものに来てほしい、カッパが住めるようなきれいな池にしたいと、「カッパ池」に決まりました。

さて、10月に造成したビオトープにどんな生きものが来ているのでしょうか?子ども達と一緒にビオトープに行ってみました。




~ヤゴ発見!!~
アサザ基金の向山先生に網の使い方を教わり、子ども達は順番に池の底を掘り返していきます。網ですくった落ち葉や土の中に、果たして生きものはいるのでしょうか?一見、生きものがいるようには見えませんが、探ってみてビックリ!なんと、ヤゴがいました。ビオトープができてすぐに、トンボが卵を産んでくれたのでしょう。造成時に子ども達と放したタニシやメダカも元気でした。子ども達は大興奮!他にもめずらしい生きものが来ていないか夢中になって探しました。


 

教室に戻り、アサザ基金の向山先生がビオトープにいた生きものを紹介してくれました。ヤゴの餌となるアカムシがたくさん見られ、静かなビオトープにも小さな循環が生まれていました。 これから暖かくなり、生きものが活動し始めると、たくさんの生きものが集まってくれるでしょう。子ども達も楽しみな様子でした。

新しい発見がありましたら、こちらのサイトでご報告します。